工法・構造 快適な室内環境を実現する顕熱交換
熱いものと冷たいものがあれば、自然と温度が近づいていく現象、これを熱交換と言います。私達の暮らしの中でも、暖房器具や冷蔵庫、エアコンなど、様々な場所で熱交換の仕組みが利用されています。この熱交換には大きく分けて二つの種類があります。一つは顕熱交換、もう一つは潜熱交換です。顕熱交換とは、物質の温度が実際に変わる熱の移動です。例えば、冷たい飲み物に氷を入れると、氷は溶けて小さくなりますが、飲み物は冷たくなります。これは、飲み物の熱が氷に移動し、氷を溶かしながら、同時に飲み物の温度を下げているからです。つまり、熱の移動によって、氷と飲み物の両方の温度が変化しています。これが顕熱交換の特徴です。他にも、冬の寒い日にストーブをつけると部屋の空気が暖まるのも顕熱交換によるものです。一方、潜熱交換とは、温度は変わらないけれど、物質の状態が変化する時に起こる熱の移動です。例えば、やかんに水を入れて火にかけると、やがて水は沸騰して水蒸気になります。この時、火から熱が水に移動していますが、沸騰している間の水の温度は100度のまま変わりません。変わっているのは水の状態、つまり液体から気体への変化です。このように、状態変化に熱が使われるのが潜熱交換です。また、冷凍庫で氷を作る時も、水は0度で凍り始めますが、完全に氷になるまでは温度は変わりません。これも潜熱交換の一例です。このように、熱交換には温度が変わる顕熱交換と、状態が変わる潜熱交換の二つの種類があります。この二つの熱交換の仕組みを理解することは、快適な室内環境を作る上でとても重要です。例えば、夏の暑い日に打ち水をするのは、水が蒸発する時の潜熱交換を利用して、地面の温度を下げる知恵です。また、冬の結露も、空気中の水蒸気が窓ガラスで冷やされて液体に戻る時の潜熱交換が関係しています。私達は、この熱交換の仕組みをうまく利用することで、より快適な暮らしを実現できるのです。
