
ドアの印象を決める取手選び
取手とは、扉や引出し、家具などを開閉する際に、手で握る部分のことを指します。日々の暮らしの中で何度も触れる部分ですから、使い勝手が良いことはもちろん、見た目にもこだわりたいものです。どのような材質で、どのような形で、どのような色合いかによって、住まいの雰囲気は大きく変わります。
例えば、木材で作られた取手は、空間に温もりと柔らかさを添えます。木の自然な風合いは、落ち着いた雰囲気を作り出し、和室にも洋室にも馴染みます。特に、無垢材の取手は木の温もりを直接感じることができ、心地良い触り心地も魅力です。
一方、金属で作られた取手は、洗練された印象を与えます。光沢のある金属は、空間に高級感と輝きを加え、近代的な雰囲気を演出します。ステンレスや真鍮、鉄など、金属の種類によっても表情が異なり、空間に合わせて選ぶことができます。例えば、ステンレスは清潔感があり、真鍮は落ち着いた重厚感、鉄は力強い印象を与えます。
また、陶器で作られた取手は、独特の風合いと温かみを持ち、素朴で可愛らしい印象を与えます。手作りの温もりを感じられる陶器の取手は、空間に個性と彩りを加えたい場合に最適です。
さらに、取手の形も様々です。丸みを帯びた形は優しい印象を与え、角張った形はシャープな印象を与えます。シンプルなデザインのものから、装飾性の高いものまで、好みに合わせて選ぶことができます。
このように、小さな部品である取手ですが、材質、形、色などを吟味して選ぶことで、住まいの雰囲気をより魅力的に演出することができます。
取手は、単に扉や引出しを開閉するための道具ではなく、空間の印象を左右する重要な要素と言えるでしょう。