ハンノキ

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ハンノキ:湿地の隠れたる名木

ハンノキは、白樺と同じ仲間である樺の木科に属する、葉が落ちるタイプの高い木です。湿った土地や沼のような水気の多い場所を好んで育ち、日本の各地で見かけることができます。北は北海道から南は九州まで広く分布しており、日本以外にも朝鮮半島や中国の東北部などにも自生しています。成長すると、高さは最大で20メートルにもなり、幹の太さは直径で60センチメートルほどになります。地域によって様々な呼び名があり、「ハン」や「谷地のハンノキ」、「針の木」などとも呼ばれています。特に、「谷地のハンノキ」という呼び名は、湿地帯に多く自生していることに由来すると考えられています。ハンノキの木材は、家具や道具、建物の材料として使われています。また、紙の原料となるパルプや、細かい木片を固めた板であるパーティクルボードの材料としても利用されています。木材としての特徴としては、乾燥させるのに時間がかかること、そして、水や腐敗に対する強さはそれほど高くないことが挙げられます。ハンノキは、根に根粒菌という小さな生き物を住まわせており、この根粒菌が空気中の窒素を栄養に変えることができます。そのため、栄養の少ない湿地でもしっかりと育つことができます。また、種子は水に浮くため、水の流れに乗って遠くまで運ばれ、新たな場所で芽を出すことができます。このように、ハンノキは湿地という特殊な環境に適応し、広く分布を広げてきた木なのです。