広々空間を実現!メーターモジュールとは?

広々空間を実現!メーターモジュールとは?

インテリアについて聞きたい

先生、『メーターモジュール』ってよく聞くんですけど、どういう意味ですか?

インテリア研究家

『メーターモジュール』は、家を設計するときの基準となる長さで、1メートルを基本の単位として考える方法のことだよ。たとえば、部屋の広さや壁の位置などを決めるときに、1メートルとか2メートルといったように、きりの良い数字で考えるんだ。

インテリアについて聞きたい

じゃあ、普通の家とは何が違うんですか?

インテリア研究家

昔ながらの家は『尺モジュール』と言って、91センチメートル(約3尺)を基本単位としていたんだ。メーターモジュールを使うことで、部屋を広く感じさせたり、家具の配置がしやすくなったりするメリットがあるんだよ。

メーターモジュールとは。

お部屋の飾りつけや内装工事で使われる言葉で、『メーターモジュール』というものがあります。これは、1メートルを基本の長さとして設計する基準のことです。

設計基準の現状

設計基準の現状

日本の家の設計では、昔から尺や寸といった長さの単位を使った寸法が用いられてきました。畳の大きさなどが代表的な例で、尺を基準とした設計が主流でした。具体的には、910ミリメートルを基準とした「尺モジュール」と呼ばれる設計方法です。この方法では、柱と柱の間隔や、窓やドアなどの開口部の大きさを、尺モジュールに基づいて決めていました。

しかし、近年では世界的な流れに合わせて、メートル法に基づいた「メーターモジュール」を取り入れる家が増えています。メーターモジュールとは、1メートルを基本単位として設計を行う基準のことです。柱や壁の間隔を1メートル、あるいは1メートルを基準とした2メートル、3メートルといった寸法で設定します。メーターモジュールを採用することで、設計の自由度が増し、より広く開放的な居住空間を作ることができます。例えば、大きな家具や家電を配置しやすくなるだけでなく、動線を広く確保することで、家の中での移動がスムーズになります。また、天井高を高く設定することで、より開放的な空間を演出することも可能です。

尺モジュールとメーターモジュールは、それぞれに利点があります。尺モジュールは、日本の伝統的な建築様式に適しており、畳や襖などの建具との相性が良いというメリットがあります。一方、メーターモジュールは、国際的な規格に準拠しており、材料の調達や施工が容易になるという利点があります。また、空間の有効活用にもつながり、現代的なライフスタイルに合わせた住宅設計が可能になります。

住宅を設計する際には、それぞれの基準の特徴を理解し、家族の暮らし方に合った基準を選ぶことが大切です。将来的な家族構成の変化やライフスタイルの変化も考慮に入れ、最適な基準を選択することで、快適で暮らしやすい住宅を実現することができます。

項目 尺モジュール メーターモジュール
基準単位 尺(約910mm) メートル(1000mm)
歴史 日本の伝統的な建築様式 近年増加、世界的な流れ
設計 柱と柱の間隔、開口部の大きさを尺に基づいて決定 1メートルを基本単位として設計
利点 日本の伝統建具(畳、襖など)との相性が良い 設計の自由度が高い、開放的な空間、大きな家具の配置が容易、国際規格、材料調達・施工が容易
空間 伝統的な雰囲気 広く開放的、現代的なライフスタイル

尺モジュールとの比較

尺モジュールとの比較

日本の住宅でよく使われる寸法の基準に、尺モジュールとメーターモジュールがあります。どちらも一家の暮らしを支える大切な家の骨組みを決めるものですが、それぞれに良さがあります。尺貫法に基づく尺モジュールは、約30.3cmを基準とした寸法で、昔から日本の家づくりで広く使われてきました。畳や障子、襖といった日本の伝統的な建具は、この尺モジュールに合わせて作られています。そのため、尺モジュールで家を建てると、これらの建具がぴったりと収まり、無駄なスペースが生まれにくいという利点があります。また、日本人の体格に合った落ち着いた雰囲気の空間を作りやすいのも特徴です。

一方、メーターモジュールは約100cmを基準とした寸法で、世界的に広く使われています。尺モジュールと比べて空間を広く感じやすく、特に近年人気の高い、開放感のある広々としたリビングダイニングを作るのに適しています。また、海外製の家具や家電製品の多くはメーターモジュールを基準に作られているため、これらの配置がしやすく、無駄なスペースを減らすことができます。さらに、廊下や階段などの移動空間も広く取れるため、ゆったりとした移動が可能です。

最近では、それぞれの長所を活かすために、メーターモジュールを基本としつつ、和室など畳を敷く部屋には尺モジュールを使うという方法も人気です。こうすることで、現代的な広々とした空間と、伝統的な和の空間をバランスよく両立することができます。どちらのモジュールにもそれぞれの良さがあるため、家族構成や生活スタイル、好みに合わせて、どちらがより自分たちに合っているかをじっくり検討することが大切です。ハウスメーカーや工務店と相談しながら、理想の住まいを実現するために最適なモジュールを選びましょう。

項目 尺モジュール メーターモジュール
基準寸法 約30.3cm 約100cm
特徴 日本の伝統的な建具(畳、障子、襖)に合う
日本人の体格に合った落ち着いた空間
無駄なスペースが少ない
空間を広く感じやすい
開放的なリビングダイニングに適している
海外製の家具や家電製品の配置がしやすい
廊下や階段などの移動空間を広く取れる
メリット 建具がぴったり収まる
落ち着いた雰囲気
開放感がある
家具配置の自由度が高い
移動空間が広い
デメリット 空間が狭く感じる場合がある 畳などの和室の建具が合わない場合がある
最近の傾向 メーターモジュールを基本に、和室は尺モジュールを使う

メーターモジュールのメリット

メーターモジュールのメリット

尺モジュールに比べ、メーターモジュールは空間を広く使えるという利点があります。柱と壁の間隔が広いため、同じ面積でもより開放感を得られます。たとえば、尺モジュールでは柱の中心から中心までが910mm刻みで設計されるのに対し、メーターモジュールでは1000mm刻みとなります。このわずか90mmの違いが、空間の広がりを大きく左右します。視覚的にも広々と感じられるため、ゆとりのある暮らしを実現できます。

また、家具の配置もしやすくなります。特に、海外製の家具はメーターモジュールを基準に作られていることが多いので、大きさが合わずに困ることも少なくなります。ソファやテーブルなどの配置に悩むことなく、思い通りのレイアウトを実現できるでしょう。部屋の隅々まで無駄なく活用できるため、デッドスペースを減らし、空間効率を高めることにも繋がります。

さらに、メーターモジュールは移動のしやすさという点でも優れています。廊下や戸口を広く設計できるため、車椅子やベビーカーの移動がスムーズになります。高齢者や小さな子供がいる家庭でも、安全で快適に暮らせるでしょう。また、大きな家具や家電を搬入する際にも、通路の広さが確保されているため、スムーズに運び込めます。将来、家族構成や生活スタイルが変化した場合でも、柔軟に対応できる住まいづくりが可能になります。

このように、メーターモジュールは空間の広がり、家具配置の自由度、移動のしやすさなど、様々な利点を持つ設計手法です。新築やリフォームを検討する際には、メーターモジュールの採用を検討してみてはいかがでしょうか。より快適で暮らしやすい住まいを実現するための、一つの選択肢となるでしょう。

メリット 詳細
空間を広く使える 柱と壁の間隔が尺モジュールより広いため(910mm刻み→1000mm刻み)、開放感があり、視覚的にも広々と感じられる。
家具の配置がしやすい 特にメーターモジュール基準で作られている海外製家具に適合しやすく、デッドスペースを減らし、空間効率を高められる。
移動がしやすい 廊下や戸口を広く設計できるため、車椅子やベビーカーの移動がスムーズになり、大きな家具や家電の搬入も容易。

メーターモジュールのデメリット

メーターモジュールのデメリット

メートル法に基づく設計、いわゆるメーターモジュールは、広々とした空間を実現できるという利点がある一方で、注意すべき点もいくつか存在します。まず、建築材料の費用が尺モジュールに比べて高くなることが挙げられます。これは、メートルモジュールに対応した材料の種類がまだ限られているため、どうしても費用が上がってしまうのです。

また、日本の伝統的な建具との組み合わせにも課題があります。古くから日本で使われてきた襖や障子などの建具は、尺モジュールを基準に作られていることが多く、メートルモジュールの住宅にそのまま設置することが難しい場合があります。そのため、特注が必要になるケースもあり、費用がかさむ原因となります。特に、和風住宅を建てる際には、尺モジュールの方が相性が良く、建具の選択肢も広がるため、よく検討する必要があります。

さらに、建物の温かさを保つ性能、いわゆる断熱性能も重要なポイントです。柱や壁の間隔が尺モジュールよりも広いため、同じ断熱性能を確保しようとすると、より厚い断熱材が必要になります。そのため、建築費用が増加したり、部屋の広さが少し狭くなったりする可能性があります。また、断熱材の種類によっては、施工が難しくなる場合もあるため、施工業者とよく相談し、適切な断熱材を選ぶことが大切です。

このように、メーターモジュールは広々とした空間を実現できる一方で、費用や建具、断熱性能など、尺モジュールとは異なる特徴を持っています。住宅を建てる際には、それぞれのメリットとデメリットを理解し、自分たちの暮らし方に合った方を選ぶことが大切です。

項目 メートルモジュール 尺モジュール
空間 広々とした空間を実現
建築材料費用 高額(材料の種類が限定的) 安価
伝統的建具との相性 低い(特注が必要な場合あり) 高い (選択肢が広い)
断熱性能 確保に厚い断熱材が必要(費用増加、部屋が狭くなる可能性)

まとめ

まとめ

住まいづくりにおいて、間取りを決める上で重要な要素となるのが「尺モジュール」と「メーターモジュール」です。どちらも家の骨組みとなる柱や壁の間隔を決める基準となるもので、それぞれに良さや悪さがあります。どちらを選ぶかは、家族の暮らし方や好み、そして将来設計に大きく関わってきますので、じっくり考えて選びましょう。

メーターモジュールは、1メートルを基準とした設計方法です。尺モジュールと比べて空間が広くなり、開放感あふれる住まいを実現できます。また、家具の配置もしやすく、大きな家具や車椅子などもスムーズに移動できるため、バリアフリーな空間を作りやすいという利点もあります。近年では、多くの住宅でこのメーターモジュールが採用されており、今の暮らし方に合った設計基準と言えるでしょう。しかし、建築費用が尺モジュールよりも高くなる傾向があります。さらに、日本の伝統的な建具との相性が悪いため、特注が必要になる場合もあり、その分の費用も考慮しなければなりません。また、空間が広くなる分、冷暖房効率が少し悪くなる可能性もあるため、断熱対策をしっかり行う必要があります。

一方、尺モジュールは、日本の伝統的な長さの単位である「尺」を基準とした設計方法です。古くから日本で使われてきたため、入手しやすい価格の建具が豊富に揃っているというメリットがあります。メーターモジュールと比べると建築費用を抑えることができ、工期も短縮できる場合もあります。日本の気候風土に適した設計基準とも言えますが、空間が少し狭く感じるかもしれません。また、最近では大きな家具も増えてきているため、家具の配置に工夫が必要となるでしょう。

このように、尺モジュールとメーターモジュールには、それぞれに良さ悪さがあります。家族構成や将来の生活、予算などを考慮し、どちらのモジュールが自分の暮らしに合っているのか、専門家とよく相談しながら、後悔のない選択をしてください。

項目 尺モジュール メーターモジュール
基準 尺(約30.3cm) メートル(100cm)
空間の広さ やや狭い 広い、開放感
バリアフリー性 工夫が必要 容易
建築費用 低い 高い
建具 入手しやすい、安価 特注が必要、高価
工期 短い 長い
冷暖房効率 良い やや悪い
家具配置 工夫が必要 容易