未加工

記事数:(1)

素材

織物の魅力:生機から始まる物語

織り上がったばかりの布、それが『生機(きばた)』です。生まれたばかりの赤ん坊のように、何の飾り気もない、本来の姿を保っています。染色も模様付けも、何も施されていないまっさらな状態です。例えるなら、画家が絵を描く前の真っ白な画布のようです。これからどんな色や模様で彩られるのか、どんな作品になるのか、無限の可能性を秘めています。綿、麻、絹、羊毛など、様々な種類の糸から織られるため、それぞれの糸の特徴がそのまま布に表れます。例えば、綿から織られた生機は、柔らかな肌触りで汗をよく吸い取ります。夏に着る肌着やタオルケットなどに最適です。麻から織られた生機は、風通しが良く丈夫なので、夏の着物やのれんに仕立てられます。また、絹の生機は、美しい光沢と滑らかな肌触りが特徴です。着物やストールなど、高級な衣料品に使われます。羊毛の生機は、保温性に優れているため、冬用のコートやセーターなどに加工されます。このように、それぞれの生機は、それぞれの持ち味を生かして、様々な用途に合わせた布へと姿を変えていきます。生機は、ただ白いだけの布ではありません。それぞれの繊維の個性を秘めた、可能性に満ちた素材なのです。この生機に様々な加工を施すことで、色鮮やかな洋服地や、柔らかなタオル、風合い豊かなカーテンなど、私たちの生活を彩る様々な布製品が生まれます。生機は、まさに布作りの原点と言えるでしょう。