空間を彩る両面キャビネット

空間を彩る両面キャビネット

インテリアについて聞きたい

先生、「両面キャビネット」って、普通のたんすと何が違うんですか?

インテリア研究家

良い質問だね。普通のたんすは、たいてい壁際に置くよね?だから、背面はあまり気にしない作りになっていることが多いんだ。でも、「両面キャビネット」は、表と裏、両面に同じようにきれいな仕上げがしてあるんだよ。

インテリアについて聞きたい

じゃあ、部屋の真ん中に置いても大丈夫ってことですか?

インテリア研究家

その通り!例えば、台所と居間の間仕切りとして使ったりもするんだよ。どこから見てもきれいだからね。

両面キャビネットとは。

部屋の飾りや内装工事で使う言葉に『両面飾り棚』というものがあります。これは、後ろ側も表側と同じようにきれいに仕上げられた飾り棚のことです。飾り棚というのは、西洋風の部屋には欠かせない小さなたんすのようなもので、ヨーロッパの住宅にはほとんど必ずと言っていいほど置いてあります。ルネサンス期のイタリアや、バロック時代の南ドイツ、フランスでも使われていたので、古い時代のものがたくさん残っています。両面飾り棚は、表も裏もきれいに仕上げられているので、どこから見ても美しいのが特徴です。そのため、台所と居間や食堂の間仕切りとして使うことができます。飾り棚は、上段が棚、下段が引き戸、中段が開いていることが多いです。

両面キャビネットとは

両面キャビネットとは

両面キャビネットとは、名前の通り、表側と裏側の両面に美しい仕上げが施された収納棚のことです。普段よく目にする収納棚は、壁際に置くことを前提に作られています。そのため、壁に接する背面は簡素な作りになっていることがほとんどです。しかし、両面キャビネットは違います。背面にも前面と同じように丁寧に仕上げが施されているため、壁にぴったりとくっつけて設置する必要がありません。

部屋の中央に置いても、どの角度から見ても美しく、まるで一つの芸術作品のようです。背面の仕上げが簡素な収納棚の場合、部屋の中央に置くと、生活感が出てしまったり、雑然とした印象を与えてしまったりすることがあります。しかし、両面キャビネットであれば、そのような心配は無用です。むしろ、空間を華やかに演出し、洗練された雰囲気を作り出すことができます。

例えば、広々とした居間の中央に両面キャビネットを配置すれば、空間を緩やかに区切りながらも、圧迫感を与えることなく、自然な形で居間と食堂を分けることができます。また、収納棚としての実用性も兼ね備えていますので、食器や本、雑貨などを美しく収納することができます。さらに、キャビネットの上に鉢植えの観葉植物や写真立てなどを飾れば、より一層魅力的な空間を演出することができるでしょう。このように、両面キャビネットは、収納性と装飾性を兼ね備え、空間をより豊かに彩る、洗練された家具と言えるでしょう。

特徴 メリット 使用例
表裏両面に美しい仕上げ 壁際に置く必要がない、どの角度から見ても美しい、芸術作品のよう、空間を華やかに演出、洗練された雰囲気 部屋の中央に設置、居間と食堂を緩やかに仕切る
収納性 食器、本、雑貨などを収納 収納棚として使用
装飾性 鉢植えや写真立てを飾る 空間をより魅力的に演出

キャビネットの歴史

キャビネットの歴史

飾り棚、つまりキャビネットの歴史は古く、華やかな装飾が施された家具として人々に愛されてきました。ルネサンス期にイタリアで生まれたキャビネットは、やがてヨーロッパ中に広まり、特にバロック時代のフランスや南ドイツで大きく発展しました。

当時の貴族の大きな屋敷には、豪華な装飾を施したキャビネットが置かれ、美術品や宝石などをしまっておく特別な家具として使われていました。貴重な品々を大切に保管するだけでなく、家の格式、つまり家の地位の高さを示す大切な役割も担っていました。職人たちは木材を丁寧に彫り込み、金箔や象嵌細工などの美しい装飾を施し、芸術的な作品とも言える素晴らしいキャビネットを作り上げました。

18世紀になると、フランスではロココ様式が流行し、曲線的なデザインと繊細な装飾が特徴のキャビネットが作られるようになりました。宮殿や貴族の邸宅には、部屋全体を彩る豪華なキャビネットが数多く置かれ、優雅で洗練された空間を演出しました。

現代においても、アンティークのキャビネットは世界中の収集家から高い人気を誇っています。長い年月を経てもなお美しいデザインと歴史的価値は高く評価されており、美術品や骨董品として取引されています。特に、有名な職人が作った希少なキャビネットは、非常に高価で取引されることもあります。

時代を超えて愛されるキャビネットは、単なる物をしまう家具ではなく、その時代の文化や歴史、そして人々の美意識を伝える重要な存在と言えるでしょう。現代の住宅でも、様々な素材やデザインのキャビネットが作られており、人々の生活に彩りを添えています。キャビネットは、これからも進化を続けながら、人々に愛され続けることでしょう。

時代 地域 特徴 役割
ルネサンス期 イタリア発祥、ヨーロッパ全域へ 華やかな装飾 美術品や宝石などをしまう特別な家具
バロック時代 フランス、南ドイツ 豪華な装飾、木材の彫刻、金箔、象嵌細工 家の格式を示す
18世紀 フランス ロココ様式、曲線的なデザイン、繊細な装飾 優雅で洗練された空間を演出
現代 世界中 アンティークは収集家に人気、様々な素材とデザイン 生活に彩りを添える

両面キャビネットの配置例

両面キャビネットの配置例

両面キャビネットは、表裏どちらも美しく仕上げられているため、空間の間仕切りとして使うのが良いでしょう。壁付けの収納家具とは違い、部屋の中央に置いても違和感なく、むしろ空間に奥行きと広がりを生み出します。

例えば、台所と居間食堂を分けたい場合、両面キャビネットを間仕切りとして設置することで、収納場所を確保しつつ、ゆるやかに空間を分けることができます。キャビネット越しに光や空気の流れも遮断しないため、閉塞感もありません。食器や調理器具、雑誌や小物などを収納すれば、それぞれの空間で必要な物をすぐに取り出せるので便利です。

また、開放的な台所と食堂の間にも、両面キャビネットは役立ちます。食器棚として活用しながら、視線を遮りすぎずに程よく空間を分けることができます。片面には食器を収納し、反対側には雑誌や飾り物を置くなど、それぞれの空間に合わせた収納ができます。これによって、台所の作業スペースと食堂の食事スペースをさりげなく区切り、生活感を隠しつつもおしゃれな雰囲気を演出できます。

さらに、ワンルームの集合住宅では、寝室と居間の仕切りとして活用することで、限られた空間を有効に使うことができます。片面に衣類、反対側に本や趣味の物を収納すれば、それぞれの空間を機能的に分けられます。また、キャビネットの上部を飾り棚として活用すれば、空間をおしゃれに演出することも可能です。

このように、両面キャビネットは、空間を美しく整理しながら、おしゃれな雰囲気を作り出すのに最適な家具と言えるでしょう。用途や好みに合わせて素材や色、大きさなどを選ぶことで、より快適で個性的な空間を演出できます。

設置場所 メリット 使い方
台所と居間食堂の間 収納場所の確保、ゆるやかな空間分割、閉塞感がない 食器や調理器具、雑誌や小物を収納
開放的な台所と食堂の間 食器棚として活用、視線を遮りすぎない空間分割 片面に食器、反対側に雑誌や飾り物を収納
ワンルームの集合住宅の寝室と居間の仕切り 限られた空間の有効活用、機能的な空間分割 片面に衣類、反対側に本や趣味の物を収納、上部を飾り棚として活用

両面キャビネットの構造

両面キャビネットの構造

両面キャビネットは、空間を仕切る間仕切り家具として、また、どちらの面からも使える収納家具として、人気を集めています。その構造は、多様なニーズに応えるために、様々な工夫が凝らされています。

基本的な構造は、上段、中段、下段の三段構成となっているものが多いです。上段には棚板が設けられており、使用頻度の低い食器や季節の飾り物、思い出の品などを収納するのに最適です。棚板の位置を調節できるものもあり、収納する物の大きさに合わせて、空間を有効活用できます。

中段には、扉のないオープンスペースが設けられていることが多いです。お気に入りの食器や小物を飾ったり、写真立てや観葉植物を置いて、ディスプレイ空間として楽しむことができます。背面も化粧板で仕上げられているため、部屋の間仕切りとして使用しても違和感なく、どちら側からも美しく見せることができます。また、オープンスペースには、よく使う食器や本などを置いて、すぐに取り出せるようにすることも可能です。

下段には、引き戸式の収納スペースが設けられていることが多いです。引き戸は、開閉スペースを取らないため、狭い場所でも使いやすく、かさばる調理器具や書類、掃除道具などを収納するのに便利です。キャスター付きの引き出しが備え付けられている場合もあり、重たい物でも楽に取り出すことができます。

このように両面キャビネットは、収納力とデザイン性を兼ね備え、様々な用途に合わせて使える、機能的で美しい家具です。それぞれの収納スペースを用途に合わせて使い分けることで、整理整頓された美しい空間を実現し、快適な暮らしを演出できます。

構造 用途
上段 棚板(位置調節可能) 使用頻度の低い食器、季節の飾り物、思い出の品
中段 オープンスペース(背面化粧板仕上げ) ディスプレイ空間(食器、小物、写真立て、観葉植物)、よく使う食器や本
下段 引き戸式収納スペース(キャスター付き引き出しの場合あり) かさばる調理器具、書類、掃除道具

両面キャビネットを選ぶ際の注意点

両面キャビネットを選ぶ際の注意点

両面キャビネットは、部屋の間仕切りとしても使える便利な家具です。しかし、設置場所や用途に合わないものを選んでしまうと、かえって使いづらくなってしまうこともあります。そこで、両面キャビネットを選ぶ際に注意すべき点について、詳しく解説します。

まず設置場所の寸法を測ることは非常に大切です。設置したい場所にキャビネットが収まるか、扉の開閉に支障がないか、周囲の家具とのバランスはどうかなど、しっかりと確認しましょう。採寸はメジャーを使って正確に行い、設置場所の幅、奥行き、高さを記録しておきましょう。

次に、キャビネットのサイズを検討します。部屋の広さに比べて大きすぎるキャビネットは圧迫感を与え、部屋を狭く感じさせてしまいます。反対に小さすぎるキャビネットは収納力が足りず、せっかく設置しても十分に活用できません。設置場所の寸法と収納したい物の量を考慮し、最適なサイズを選びましょう。

キャビネットの素材や色合いも重要な要素です。部屋全体の雰囲気と調和するものを選び、統一感のある空間を演出しましょう。木の温もりを感じられる木製キャビネットは、落ち着いた雰囲気の部屋にぴったりです。金属製のキャビネットは、近代的な雰囲気の部屋によく合います。部屋の壁や床、他の家具とのバランスを考えて、色や素材を選びましょう

収納したい物に合わせて、棚や引き出しの数、奥行きなどを検討することも大切です。よく使う物を収納する場合は、取り出しやすい位置に棚板を設置するなどの工夫が必要です。衣類を収納する場合は、奥行きが深く、ハンガーパイプが付いているものが便利です。食器を収納する場合は、棚板の高さを調節できるものが便利です。

これらの点に注意して、使いやすさと美しさを兼ね備えた、理想の両面キャビネットを選びましょう。

項目 詳細
設置場所 設置場所の寸法を測り、キャビネットが収まるか、扉の開閉に支障がないか、周囲の家具とのバランスを確認する。幅、奥行き、高さを記録する。
サイズ 部屋の広さ、設置場所の寸法と収納したい物の量を考慮し、最適なサイズを選ぶ。大きすぎると圧迫感を与え、小さすぎると収納力が足りない。
素材・色合い 部屋全体の雰囲気と調和するものを選び、統一感のある空間を演出する。木製は落ち着いた雰囲気、金属製は近代的な雰囲気に合う。部屋の壁や床、他の家具とのバランスを考えて選ぶ。
収納 収納したい物に合わせて、棚や引き出しの数、奥行きなどを検討する。よく使う物は取り出しやすい位置に棚板を設置する。衣類は奥行きが深く、ハンガーパイプ付きが便利。食器は棚板の高さを調節できるものが便利。

まとめ

まとめ

両面使える飾り棚は、収納力と見た目の美しさを兼ね備え、部屋を美しく整える家具です。使い方も様々で、部屋を仕切る壁の役割を果たしたり、食器や小物をしまったり、多目的に活用できます。古くから使われてきた歴史ある家具でもあり、置くだけで部屋の雰囲気がぐっと高まります。

飾り棚を選ぶ際には、置く場所の広さや部屋全体の雰囲気との調和を考えることが大切です。例えば、部屋が狭ければ、圧迫感を与えない大きさや色のものを選びましょう。和風の部屋には、木製の落ち着いたデザインのものが馴染みます。洋風の部屋には、ガラスや金属を使った現代的なデザインのものが合うでしょう。

また、収納したい物に合わせて棚の奥行きや高さ、仕切りの有無などを検討することも重要です。本をたくさん収納したい場合は、奥行きのある棚を選びましょう。食器を飾りたい場合は、ガラス扉付きの棚がおすすめです。大切なコレクションを飾る場合は、照明付きの棚を選ぶと、より一層魅力的に見せることができます。

さらに、飾り棚は単なる収納家具ではなく、部屋の雰囲気を大きく左右するインテリアの一つです。そのため、色や材質、デザインにもこだわりたいところです。部屋全体の色合いや他の家具とのバランスを考え、統一感のある空間を作りましょう。

最適な飾り棚を選ぶことで、より快適で美しい空間を作ることができます。両面使える飾り棚は、ただの家具ではなく、日々の暮らしを豊かで彩りあるものにしてくれる特別な存在となるでしょう。家族が集まる場所に置けば、会話も弾み、温かい雰囲気を作り出してくれるはずです。両面使える飾り棚を上手に活用して、心地よい空間を演出しましょう。

飾り棚のメリット 飾り棚選びのポイント 飾り棚の種類
収納力と見た目の美しさ、部屋の雰囲気を高める、多目的に活用できる 置く場所の広さ、部屋全体の雰囲気との調和、収納したい物に合わせた奥行きや高さ、仕切りの有無 木製の落ち着いたデザイン、ガラスや金属を使った現代的なデザイン、ガラス扉付き、照明付き