キッチンの水じまい:快適な水仕事を実現
インテリアについて聞きたい
先生、「水じまい」って言葉の意味がよくわからないんですけど、教えてもらえますか?
インテリア研究家
もちろん!キッチンでいう「水じまい」とは、水仕事がしやすいように、水がこぼれにくい工夫がされていることを指すんだよ。たとえば、ワークトップの立ち上がりで水がシンクの外にこぼれにくくなっている、といったことだね。
インテリアについて聞きたい
なるほど。じゃあ、ワークトップに立ち上がりが無いと「水じまいが悪い」ってことですか?
インテリア研究家
その通り!水じまいが悪いと、水がキャビネットにしみ込んで、特に木製のキッチンだと腐ってしまうこともあるんだ。だから、ちょっとした立ち上がりでも、水じまいをよくするためにとても大切なんだよ。
水じまいとは。
台所などの水を使う場所の設計について、『水じまい』という言葉があります。これは、水はねや水こぼれがしにくく、水がきれいに流れるような工夫がされていることを指します。住宅全体で言えば、雨水や水道水の排水処理を良くする設計のことですが、台所でも同じ意味で使われます。例えば、調理台の天板の縁を少し高くすることで、水がこぼれにくい流し台は『水じまいが良い』と言えます。システムキッチンは基本的に水じまいのことを考えて作られていますが、デザイン重視の注文制作の台所では、水じまいが不十分な場合がよくあります。そのため、土台の収納棚に水がしみ込み、特に木製の場合は、年数が経つと腐ってしまうことがあります。わずか1~5センチ程度の立ち上がりを作るだけでも、壁に水がしみ込むのを防ぐ効果があります。
水じまいとは
水じまいとは、台所で水を使う作業を快適かつ効率的に行うための工夫のことです。
調理台や流し台の周りの構造を工夫することで、水がこぼれたり、壁に跳ねたりするのを防ぎます。
水はねが少ないと、作業が捗るだけでなく、周囲を清潔に保つことにも繋がります。
例えば、調理台の表面に水が溜まりにくい素材を使ったり、継ぎ目を少なくすることで、拭き掃除が簡単になります。
また、流し台の縁を高くしたり、壁との間に隙間をなくすことで、水が床や壁に流れ落ちるのを防ぎます。
水じまいを考える際には、台所全体の水の流れも大切です。
床の傾斜や排水口の位置を適切に設計することで、スムーズに水が流れ、水たまりを防ぎます。
特に、流し台の周りの設計は重要です。
水を使う作業が集中する場所なので、水はねや水漏れを防ぐ工夫が欠かせません。
例えば、深めの流し台を選ぶことで、水はねを軽減できます。
水栓の形や位置も重要です。
水栓の位置が高すぎると水が飛び散りやすく、低すぎると大きな鍋やフライパンを洗いにくくなります。
水じまいが良い台所は、作業中のストレスを減らし、掃除の手間も省けるので、快適なだけでなく、片付けの時間も短縮できます。
さらに、水による棚の腐食を防ぐ効果もあり、台所の寿命を延ばすことにも繋がります。
日々の暮らしを快適にするために、水じまいは台所選びの重要なポイントと言えるでしょう。
システムキッチンとオーダーキッチン
台所の心臓部とも言える調理場。その主役となるのがキッチンです。大きく分けて既製品であるシステムキッチンと、希望に合わせて一から作るオーダーキッチンの二種類があります。それぞれに良さがあり、どちらを選ぶかは家の間取りや生活様式、そしてもちろん予算も考慮して決める必要があります。
システムキッチンは、流し台、調理台、コンロ、収納などが一体となった規格化された製品です。あらかじめ水回りのことをよく考えて作られています。長年培われた技術を持つ製造者が、機能性と使い勝手を両立させて開発しているため、設置も比較的スムーズです。規格品であるがゆえに、価格も比較的抑えられます。豊富な種類の中から、自分の好みに合ったデザインや機能を選ぶことができます。
一方、オーダーキッチンは、文字通り注文して作るキッチンです。間取りや生活様式に合わせて、大きさや形、素材、配置などを自由に決めることができます。自分だけのオリジナルのキッチンを作れる点が最大の魅力です。収納棚の大きさや位置、作業台の高さなど、細かな点までこだわることができます。
しかし、オーダーキッチンは、設計次第で思わぬ落とし穴もあります。デザイン性ばかりに気を取られ、肝心の機能性、特に水回りのことをおろそかにしてしまうと、後々、水漏れなどのトラブルに見舞われる可能性があります。システムキッチンでは製造者が水回りの処理を熟慮して設計しているため、そのような心配はまずありません。オーダーキッチンを作る際は、デザインだけでなく、水はけや水じまいについても、設計の段階で専門家と入念に相談することが大切です。美しいだけでなく、長く快適に使えるキッチンを作るためには、機能性とデザイン性のバランスを考える必要があります。
項目 | システムキッチン | オーダーキッチン |
---|---|---|
定義 | 流し台、調理台、コンロ、収納などが一体となった規格化された製品 | 注文して作るキッチン |
メリット |
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|
デメリット | – |
|
注意点 | – | 水はけや水じまいについて、設計段階で専門家と入念に相談する必要がある |
立ち上がりの重要性
水回りの場所、特に調理場において、作業台の立ち上がりは水はね対策として極めて重要です。調理中、蛇口からの水や食材を洗う際の水はねは避けられません。この水はねが壁に直接当たるのを防ぐのが立ち上がりの役割です。一見すると小さな段差に過ぎませんが、1センチから5センチほどの高さがあるだけで、壁への水の浸透を大幅に軽減できます。
壁に水が染み込むと、目に見えないところでカビが発生しやすくなります。カビは見た目にも不快なだけでなく、健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。また、壁の素材によっては、水に濡れることで腐食が進む場合もあります。特に、調理場でよく使われる木材は水に弱く、腐食すると強度が落ちてしまうため注意が必要です。立ち上がりを設置することで、これらの問題を未然に防ぎ、清潔で安全な調理場を保つことができます。
立ち上がりは材質も豊富です。作業台と同じ材質で統一感を出すことも、タイルや人工大理石など異なる材質でアクセントをつけることも可能です。また、形状も真っ直ぐなものだけでなく、ゆるやかな曲線を描いたものなど様々なデザインがあります。高さも自由に設定できるため、水はねの程度や見た目のバランス、掃除のしやすさなどを考慮して最適なものを選ぶことができます。調理場の雰囲気や使い勝手に合わせて、機能性とデザイン性を両立させた立ち上がりを選び、快適な調理空間を実現しましょう。
項目 | 詳細 |
---|---|
目的 | 水はね対策、カビ発生防止、壁の腐食防止、清潔で安全な調理場 |
高さ | 1センチ〜5センチ程度 |
材質 | 作業台と同じ材質、タイル、人工大理石など |
形状 | 真っ直ぐ、ゆるやかな曲線など |
メリット | 機能性とデザイン性を両立 |
材質による影響
台所の見た目を左右するだけでなく、使い勝手やお手入れのしやすさにも大きく関わるのが、使用する材料です。特に、水を使うことの多い台所では、水への強さは重要なポイントとなります。
水に強い材料を選ぶことで、水による傷みや汚れを防ぎ、いつも清潔な状態を保つことができます。例えば、さびにくい鋼や人工大理石などは、水に強く、さっと拭くだけでお手入れも簡単です。熱い鍋やフライパンを直接置いても傷みにくいため、忙しい調理中でも安心です。これらの材料は見た目も美しく、高級感を演出することもできます。
一方、木の温もりや自然な風合いは魅力的ですが、水に弱いという弱点があります。適切な加工や塗料が施されていないと、水が染み込み、腐ったりカビが生えたりする可能性があります。木の材料を使う場合は、撥水性の高い塗料を塗ったり、こまめに水気を拭き取ったりするなど、日頃のお手入れに気を配る必要があります。
また、壁や床の材料も水への強さを考慮して選ぶことが大切です。水はねや水漏れなどが起こりやすい場所には、水に強いタイルや樹脂製の板などを使い、床には水に強い床材や滑りにくい素材を選ぶと安心です。
このように、台所の材料を選ぶ際には、デザイン性だけでなく、水への強さやお手入れのしやすさも忘れずに総合的に判断することが大切です。使う人の生活スタイルや好みに合わせて、最適な材料を選び、快適で使いやすい台所を作りましょう。
材料 | メリット | デメリット | お手入れ | その他 |
---|---|---|---|---|
さびにくい鋼、人工大理石 | 水に強い、傷みにくい、高級感 | – | さっと拭くだけ | – |
木 | 温もり、自然な風合い | 水に弱い、腐食、カビ | 撥水性の高い塗料、こまめな水気除去 | – |
タイル、樹脂製の板 | 水に強い | – | – | 壁、床に最適 |
水に強い床材、滑りにくい素材 | 水に強い、滑りにくい | – | – | 床に最適 |
日々の手入れ
水回りは清潔さを保つことが大切です。毎日使うキッチンは、どんなに水はけが良くても、日ごろのお手入れを怠ると水垢やカビの温床になってしまいます。水を使った後は、こまめに布巾で水気を拭き取り、乾燥させる習慣をつけましょう。濡れたまま放置すると、あっという間に水垢がこびりつき、落としにくくなります。こまめな拭き掃除で、清潔で気持ちの良いキッチンを保ちましょう。
シンクや排水口の掃除も大切です。シンクは食器の汚れや食べかすなどが溜まりやすく、放っておくとヌメリや悪臭の原因となります。毎日、食器を洗った後にスポンジと洗剤でシンク全体を洗い、排水口のゴミ受けかごもこまめに掃除しましょう。週に一度は、重曹やクエン酸などを使って排水口の奥まで丁寧に掃除することで、詰まりや悪臭を予防できます。
適切なお手入れはキッチンの寿命を延ばすことにも繋がります。こまめな掃除は、設備の劣化を防ぎ、長く快適に使えるようにします。新しくキッチンを取り替えるとなると、費用も時間もかかります。日々のちょっとした心がけで、大切なキッチンを長く美しく保つことができます。
また、水栓の種類も水はねのしやすさに影響します。吐水口が高いものやシャワーヘッドタイプのものは、勢いよく水が出るため、周囲に水が飛び散りやすい傾向があります。キッチンの広さや使用頻度、家族構成などを考慮し、水栓を選ぶ際には水はねのしにくさも確認しましょう。水はねが少ない水栓を選ぶことで、掃除の手間を減らし、快適な水仕事を実現できます。
場所 | お手入れ方法 | 効果 |
---|---|---|
キッチン全体 | 水を使った後は、こまめに布巾で水気を拭き取り、乾燥させる | 水垢やカビの発生を防ぎ、清潔で気持ちの良いキッチンを保つ |
シンク・排水口 | 毎日スポンジと洗剤で洗い、ゴミ受けかごもこまめに掃除する。週に一度は重曹やクエン酸で奥まで掃除する | ヌメリや悪臭を防ぎ、詰まりを予防する |
キッチン設備 | こまめな掃除 | 設備の劣化を防ぎ、キッチンを長く快適に使えるようにする |
水栓 | 水はねのしにくい水栓を選ぶ | 掃除の手間を減らし、快適な水仕事を実現する |
まとめ
台所は、家族の食事を用意する大切な場所です。毎日使う場所だからこそ、使いやすさと清潔さは特に重要です。そこで、水仕事をする際の快適さを左右する『水じまい』について考えてみましょう。
システムキッチンを選ぶ際、カタログに載っている見た目や収納力だけでなく、水じまいにも注目することが大切です。もし、自分だけの台所を作りたい場合は、設計の段階から水じまいについて相談することをお勧めします。
具体的にどのような点に気を付ければ良いのでしょうか。ワークトップ、つまり調理台の部分を見てみましょう。ワークトップの立ち上がり、つまり壁との接する部分の形状や高さが重要です。水がこぼれにくい高さになっているか、壁との隙間はどのようになっているかを確認しましょう。
次に、ワークトップの材質にも注目しましょう。水に強く、汚れが付きにくい素材を選ぶことで、日々の掃除の手間を減らすことができます。例えば、ステンレスや人工大理石などは、耐久性がありお手入れも簡単です。
そして、毎日の手入れも水じまいを保つ秘訣です。調理が終わったら、ワークトップの水気を拭き取り、シンクのゴミや汚れを取り除きましょう。こまめな掃除は、清潔な台所を保つだけでなく、台所の寿命を延ばすことにも繋がります。
このように、水じまいを意識した台作りは、快適な水仕事と清潔な環境を実現するために欠かせません。日々のストレスを減らし、気持ちよく料理を楽しめる台所を手に入れましょう。